株式会社東芝 東芝キヤリア株式会社 インタビューその4|外からの視点で気づいた3つのことは?

GOOD FACTORY賞受賞企業の株式会社東芝 東芝キヤリア株式会社
富士工場長 奥田正幸さん

富士生産企画部 部長 堀部晋司さん
富士製造部 部長 奥田正人さん
列車空調統括部 副統括部長 藤森徹さん
富士生産企画部 富士IE推進担当 グループ長 篠原隆さん
にお話を伺いました。日本能率協会の小宮太郎がインタビューします。
(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)

外からの視点で気づいた3つのことは?

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小宮
苦労はたくさんあったと思いますが、その書類作成を通じて具体的に気づいたことはあったのでしょうか。
書類作りも多分、大変な作業だったと思いますが。

篠原
書類作りでいうと、社内や東芝グループで見るなら、
それなりに専門用語が出てきても、ある程度話は通じると思います。
しかし、社外の人にどうやって理解してもらうのか、
そのまとめ方が難しかったですね。

評価の善し悪しは別にして、現実と違うイメージを与えることが、最もまずいと自分では考えていました。
やってきた内容はそんなに難しいことではありませんが、社外の人に正確に理解してもらえる書類にすることに1番苦労しました。

人材育成は、他のどこの会社でもよく似たことをやっているでしょう。
その中で当社が受賞できたのは、外部の方が当社の活動を高く評価してくれたからだと思います。
そこが非常に良かったと言えるところです。

奥田部長
カイレン道場などで人材育成する際、共通言語で話をしようと考えてきました。
現場で働く人から会社のトップまで同じ言葉で会話ができることがとても大事です。
そうしないとなかなか意思疎通が図れません。

今回の書類作りは、社内だけで通じる言葉ではなく、社外の人、世の中にも通じる言葉で会話できる
ということを、あらためて示したと言えます。

そういう意味では、非常に良い機会だったと思いますね。

小宮
今の共通言語とか、言葉というのは、その工場独特のいい方とか、方言、用語という意味ですよね。

奥田部長
その通りです。

小宮
それが一般の外部の人にも通じ、誤解を与えることなく、理解してもらえるということですね。

奥田部長
共通言語という言葉を挙げましたが、ローカルでしか意味が通じないところもありますから、
今回の書類を作るに当たって、そこをうまく説明するのに苦労したと思います。

篠原
アピールポイントをどこにするかは、やはりきちんと決めておかないといけません。
それが普通なのか、十分に効果を出せているのか、分かりませんからね。
共通言語だけでなく、そういう部分も1つひとつが難しかったように感じます。

奥田部長
最初、私たちが進めていることが正しいことなのか、社外の人の目にどう映るのか、分かりませんでした。

審査員の方に来ていただいたとき、お話をさせていただきましたが、私たちが当たり前のようにやっている
ことが、社外から見たら当たり前ではなく、そこに特徴があることを教えていただきました。
それはとても勉強になりました。

私たちは人材育成に関し、「文章だけでは分かりにくいから、体感させよう」と当然のように考えて
行動していました。
そういう部分が審査員から意外と高い評価を受けました。
私たちが当たり前と思っていたことが、外から見たら当たり前ではないということに気づいたわけです。

小宮
審査員チームは世界各地のいろいろな工場を見ている専門家やコンサルタントばかりです。
特長を見抜く目は非常に鋭いと思います。
社内で当たり前だと考える目と、社外の目は全く視点が違うことはあるでしょうね。

奥田部長
私たちにはそれが気づきになりました。

小宮
ありがとうございます。

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