長野オリンパス株式会社

ファクトリーマネジメント賞

主要事業 :
顕微鏡、工業用内視鏡、非破壊検査装置の製造・修理
医療関連製品の製造、医療内視鏡の修理
設  立 :
2011年10月1日(オリンパス傘下の3社が統合)
従業員数 :
1,289名(2016年4月現在)
所 在 地 :
長野県上伊那郡辰野町大字伊那富6666番地(本社)
代 表 者 :
代表取締役社長 田中 健寛 氏

総合所見

長野オリンパスは、2011年10月に発足した新しい会社で、その前身として1944年設立のオリンパス伊那工場とオリンパスオプトテクノロジー、そして、岡谷オリンパスの3社を統合し、複合事業を運営する会社です。

現在の取組みに至った背景を辿ると、統合前の3社は各々の事業において各々の厳しい環境にさられていました。さらには、東日本大震災やオリンパス問題などもあり、工場統合時は全体が一体感に乏しく、自信を失っていた状況にあったのです。このような状況下で、経営層としては「必ず成長させて次世代へ引き渡す」という覚悟のもと、経営の思いをマネジメントサイクル(=長野モデル)へと展開し、このサイクルを回し成長軌道に繋げたことは、工場マネジメントとして評価に値します。

特に以下5点が特徴的であり、評価できるところです。

  • 3工場統合という混乱から、長野モデルというマネジメントサイクルを構築し、全員力の構築→挑戦的な目標→個の能力向上を行い高付加価値工場への道筋をつけ、成果を生んでいること。
  • グループ中期経営計画から展開された拠点戦略をベースにCFT(クロスファンクショナルチーム)別の戦略シナリオを構築し、アクションプラン、そして個人の目標(MBO-S)にまで展開し、そのレベルも挑戦的目標でありながら、単位も個人まで落とし込みを行い、実行性を高めていったこと。
  • 社内横断的なテーマを扱うCFTでは、旧3社や部門の壁を取り払う体制をとり、部長責任制のもと施策の実効性を高めたこと。
  • 施策の日常管理として、部長をはじめ職制が主体的に、書面ではなく「現地現物」で進捗を確認し、クローズドループのサイクルを回し、推進力を高めたこと。
  • 育成面については、オリンパスウェイを価値観の基軸にしながら、高度技能者育成・改善人材育成など仕組みとその実践を行っており、ものづくりは人づくりを仕組みとして実践し効果も得ていること。