トヨタ紡織ハノイ

ものづくりプロセス革新賞

主要事業 :
自動車内装部品の生産販売
設  立 :
1996年8月
従業員数 :
1,001名(2017年3月時点)
所 在 地 :
ベトナム国ビンフック省フクエン町フクタン区
代 表 者 :
General Director 長田 浩好 氏

総合所見

トヨタ紡織ハノイ(TOYOTA BOSHOKU HANOI CO., LTD) は、自工場のものづくりの力を的確に認識し、それを工場の課題として工場一体となって継続して生産革新に取り組んできました。その課題として、将来予想される新規車種増、生産量増に対し「品質・人材、コスト面での力不足」を認識し、このままでは企業としての成長は望めず、お客さまの期待にもこたえられないという危機感がありました。具体的には、品質不具合を抑えるしくみ・プロセスを強化する必要があり現地メンバーが主体となって「本当のものづくり力」を身につけ、能力向上することを目指し、『記憶・カンコツ作業』に頼る部分のあった『人』中心の縫製作業に焦点を当てた生産プロセス革新を実践しています。
同社の取り組みは、現地メンバーが自力で良品・廉価なものづくりが出来ることを主眼にしており、そのための工夫が幾つかあります。
一つ目は、4段階の活動ステップに沿って(ステップ1:不具合を流さない、ステップ2:不具合を造らない、ステップ3:製品を造り易く、ステップ4:製品を安く造る)、順次生産体質の強化を図っています。
二つ目は、QCサークルに見られる自主的な改善活動とは異なり、改善を主業務とする専従メンバーが取り組む活動としています。実際の改善活動は、改善チーム(現地メンバー専任13人:次期監督者候補)で実施しています。
三つ目に、実際の推進では現地メンバーの成長を期待し、日本人はアドバイザーに徹して改善活動を実践していることです(考え方の徹底だけでなく、課題解決時の日本人の行動の原則をも決めている)。
同工場では、ここ数年プロセス革新を継続的に展開し、一貫した想いを持ち、地に足の着いた活動を着実に展開しています。結果として現地メンバー主体の活動が展開され、現地従業員の人材(能力)開発などにも貢献しています。こうした活動により、目標とする品質向上・コストダウン成果を得ただけでなく、現地メンバーの意識も(品質意識、取り組み意欲、自主性)大幅に改善されてきています。
以上により、トヨタ紡織ハノイの一連のプロセス革新活動はGOOD FACTORY賞(ものづくりプロセス革新賞)の受賞に十分値する内容を有するものと評価します。