梶文彦の「ニッポンものづくり紀行」 その9|レンガ造りの一大プロジェクト

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

レンガ造りの一大プロジェクト

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富岡製糸場を見学される方は、皆さんその規模に驚いて帰られますが、よく見ていただきたい要素の一つがレンガと瓦です。

富岡製糸場に使われた赤レンガは、建物とレンガ塀で117万丁、総屋根坪数2950坪に屋根瓦が40万枚。もともと日本にはレンガがありません。

工場建設にあたって最大の課題がレンガ造りで、棟梁に選ばれたのが深谷出身の瓦職人・韮塚直次郎です。

初代工場長の漢学者・尾高惇忠とともに煉瓦に適した土を探して、上州福島にたどり着き、笹森稲荷神社近くにだるま窯を作って試行錯誤しながらレンガ・瓦を焼いたようです。

「だるま窯」は、16世紀の初めから使われていた土を盛った窯で、その形が達磨大師が座禅をくんでいる姿に似ていることから名付けられています。、1回に焼ける瓦が約1,000枚と少なく、1回の焼成に数日かかります。

富岡製糸場に使われた煉瓦・瓦約160万枚を焼くためには1,600回の焼成が必要になり、1回の焼成に5-6日かかるので、工期わずか1年4か月=480日で作るとなれば、休日なしの突貫工事でも17窯がないと、納期に間に合いません。

余裕を見て、最低20窯ほどが準備されたはずです。

20窯が昼夜兼行で火を入れて煉瓦と瓦を焼くときに、どれだけの人数が必要でしょうか、付近一帯は、不夜城のごとき光景が展開されたに違いない。考えただけでも気の遠くなるような光景です。

しかも、建設重機はまだありません。粘土の掘り出しから輸送、全てが人手作業です。

どうやって納期を間に合わせるか、現代の私たちが考えても、かなり難しいプロジェクト管理です。
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梶文彦氏執筆による、コラム「ニッポンものづくり紀行」です。梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています!
地球の歩き方「Look Back Japan –ものづくり強国日本の原点を見に行く」連載中!

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