梶文彦の「ニッポンものづくり紀行」 その10|富岡製糸場の煉瓦-伝統の工法に秘められた効能

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

富岡製糸場の煉瓦-伝統の工法に秘められた効能

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湿気が多い日本の気候では、レンガ塀などは古くなると、コケが付きやすくなりますが、建てられて140年以上経った富岡製糸場の赤レンガにはコケがついていません。なぜなのでしょうか?

富岡製糸場の赤レンガや瓦は、日本古来のだるま窯で作られました。達磨大師が座禅を組んでいる姿に似ていることから、だるま窯と名付けられたこの窯はバッチ単位で焼かれます。

焼成のあと、蒸気で2,3日蒸すために、1回のバッチに5-6日間かかり、つくられるレンガ・瓦は約1,000枚ほどです。

連続式で大量に焼ける連続窯と違って生産性は悪いのですが、焼成工程に人が関与することで、独特のムラや風合いを出せるなど、工芸作品のような仕上がりに特徴があります。

そして何よりも、この窯で焼いたレンガ・瓦は水に浸しても、すぐに水がはけるため、表面に水が残りません。

富岡製糸場の赤レンガにコケやモがつかないのは、だるま窯で焼成されているからです。

そんな優れモノのだるま窯ですが、生産性が低いために連続窯にとって代わられ、いま残っているのはわずか数基。絶滅が危惧される危険な状態にあります。

なんとか、伝統的な窯を後世に残したいと、甘楽町を拠点に活動する「新屋根開拓集団 屋根舞台」が2006年に近くの甘楽町ふるさと館にだるま窯を復元しました。

ユーモラスな形は江戸時代らしい雰囲気を伝えてなかなかいい。

富岡製糸場の赤レンガと屋根瓦、そして達磨窯、一見の価値があります。
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梶文彦氏執筆による、コラム「ニッポンものづくり紀行」です。梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています!
地球の歩き方「Look Back Japan –ものづくり強国日本の原点を見に行く」連載中!

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