梶文彦の「ニッポンものづくり紀行」 その12|鉄水槽にみる日本のものづくり

これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。

鉄水槽にみる日本のものづくり

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富岡製糸場の繰糸工場では、繭から糸を取り出して巻き取る作業が行われます。

その際に、繭から糸を取り出しやすいように繭を茹で、糸をまとめて巻き取るのですが、動力の蒸気機関と繰糸用の水を蓄えるために大量の水が必要です。

その水を蓄えるために鉄製の水槽が作られました。南を流れる鏑(かぶら)川の水を溜めておいたものです。

当時、日本には、砂鉄から刀剣を作るためのたたら製鉄はありましたが、構造物用の柔軟な鉄を作る技術がなかったため、鉄材はフランスから輸入し、横浜製鉄所でパーツに加工して、それを富岡に持ち込んで組み立てました。

横浜製鉄所は、船の修復と造船機械を作るために建設された工場で、後に石川島播磨重工業に払い下げられました。

基本は造船技術です。そのために、鉄水槽の接合部は、艦船に使われるリベット接合が用いられています。

その鉄水槽、直径15m×深さ2.4mあり、水を入れれば水圧は底にいくほど高くなります。

だから接合も、底になるほどしっかりしたものにしなければならないのですが、よく見ると、接合部のリベット間隔が、底の部分は狭くなっています。水圧を考慮した加工がなされているのです。

そして鉄水槽は石積みの土台の上に置かれているのですが、底のリベットの部分にあたる部分の石が、きちんと位置を合わせて穿たれています。

まるで現代にでも行われたような細かな神経が注がれた工事です。この見事な加工と工事に、日本人のものづくりの原点を見るような気がします。

富岡製糸場、こんなところも気にしながら見てみると、日本のものづくりの凄さを知ることができます。
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梶文彦氏執筆による、コラム「ニッポンものづくり紀行」です。梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています!
地球の歩き方「Look Back Japan –ものづくり強国日本の原点を見に行く」連載中!

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