トヨタ紡織ハノイ

講演テーマ

生き残りをかけたものづくりプロセス革新

講演要旨

  • 4段階での活動ステップに沿って順次生産体質の強化を図っている
  • 専従の改善チームを作り、そのメンバーが主体となって改善を推進
  • 日本人はアドバイザーに徹し、現地メンバーが主体となって活動を推進

講演概要

当社は、将来予想される新規車種の増加、生産台数の増加に対し、「品質・人材・コスト面での力不足」を認識し、「生き残りをかけた、ものづくりプロセス革新」をテーマに、品質不具合を抑えるしくみ・プロセスを強化する為、人のカンコツに頼る部分のあった縫製作業に焦点を当て活動を進めてきました。それは、現地メンバーが主体となった「本当のモノづくり力」を身に付けるプロセス革新の実践で、具体的には三つのポイントがあります。
一つ目は、4段階の活動ステップに沿って、順次生産体質の強化を図ることです。ステップ1:お客様に不具合を流さない、ステップ2:社内で不良を造らない、ステップ3:製品を造り易く、ステップ4:良品廉価の製品を造るというステップを設けることで、現地メンバーの関心や視点をそれぞれのステップで目標としている内容にベクトルを合わせ集中させることを狙っています。
二つ目は、本来は兼務にされがちな改善業務を専従メンバーで構成された、改善チームで実施させることです。次期監督者候補から人選し、「安全、品質、TPS、原価」の4つのチームを作り、それぞれのチームが、改善のテーマを選定し、改善推進計画を立案して改善を実施していきます。個別チーム毎に行うことと、チーム全体は、毎日の朝会で情報共有し、横断的に幅広い視点から議論し改善活動を推進できる体制となっています。
三つ目は、現地メンバーの成長を期待し、日本人はアドバイザーに徹することです。答えは言わずに考え方、方向性のアドバイスのみ、理解するまで繰り返す、方向性が間違っていなければ任せることがポイントです。
以上のような活動の実践により、作業方法の改善、レイアウトの改善、流し方の改善等の結果につながりました。また、作業方法の改善に留まらず、人の能力面にも注目することにより、従業員一人ひとりの適正に注目した施策や訓練の工夫等の特徴的なプロセスを構築することができました。
活動は、まだステップ4の段階ですが、今までの活動ステップと継続的な活動内容を発表いたします。

講演者(敬称略)

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トヨタ紡織
日本地域統括部 主査 長田 浩好

【略 歴】
1985年4月 アラコ株式会社入社 シート生産ライン従事
1989年4月 アラコ株式会社 生産改善(寿工場)
2000年1月 アラコ株式会社 生産改善(猿投工場)
2006年1月 トヨタ紡織株式会社 グローバル生産推進 グループ長
2007年9月 トヨタ紡織アジア(タイ)GM
2012年7月 トヨタ紡織ハノイ(ベトナム)社長
2017年6月 日本地域統括部(日本)主査
以後、現在に至る