2019年(第9回)受賞企業紹介

2019年 受賞記念講演会
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オムロン
欧姆龙(上海)

ファクトリーマネジメント賞

評価のポイント

(1)標準化

オムロン上海は、オムロンの生産再編の際、7工場から生産移管を受けている。各工場の生産技術者などから支援を受け立ち上げたものの、各移管元の色が出てしまい内部で統一していかないことには効率的な運用ができない状態であった。ここから、標準の見直しを行い、生産の仕組みから建屋・フロアのレイアウトを含めたところまで標準化を推進している。

(2)標準を行動として徹底させるための教育

教育認定者として現地スタッフが育成の中核を担っている。入社後“少林寺”と呼ばれる生産導入教育から始まり、専門・特殊技能の習得。自動化推進のための工程設計やアプリ制作ができるエジニア教育にも力を入れている。
また新人に対しては、日常の行動についても教育対象とし、バスや電車の乗り方・並び方、食堂でのゴミの扱いなど生活面にも深く踏み込んでいる。

(3)育て上げた人材を維持していくための福利厚生

時間をかけて丁寧な教育を行なったとしても福利厚生が良くなければ従業員が定着しないため、独身寮や食堂の整備、職場環境の平準化などの配慮を欠かさない。

(4)考え方・理念

工場全体のマネジメントに共通して「人に優しい、相手を考える」という考え方・理念と並び、重視されているものが品質である。創業者である立石氏の言葉であり「品質第一」が活動の判断基準の根底にある。その現れとして、ある年に発生した品質問題立て直しから“不良が作れないライン”も実現している。

(5)管理目標展開

オムロン上海ではROICを出発点においている。よって、単純に生産性指標や品質指標だけでなく、資産効率に注目しての在庫やリードタイム削減が重視されている。

(6)ネットワーク活動

ROICを向上させていくため、サプライヤーを含めた「縦横・社内外とのネットワーク構築と活動」が欠かせない。オムロン本体による個別共通テーマ支援はあるが、各工場がマザー・チャイルドという関係ではなく、それぞれの得意技を持った相互補完の関係で技術開発や改善活動をアプリシートと呼ばれる改善技術紹介コンテンツを活用し各工場間に取り込んでいる。

オリンパス
白河オリンパス

ファクトリーマネジメント賞

評価のポイント

1.トップダウンとボトムアップ・アプローチの組み合わせた(たとえば、挑戦的目標を個人レベルまで落としてマネジメントしている点など)活動を推進しており、目標展開と実施についてのフレームワークと仕組みが良く機能しており、実行サイクルを確実に回すことができている。

2.マネジメント活動推進の工夫として、トップと従業員の頻度の高い・3現主義による有機的コミュニケーションの仕組みを構築したこと。また成功例を体験させるだけでなく、その事例から学習してきた施策を実際に推進するとともに人材育成に活かしていること。

3.製造と調達、製造と修理といった各部門間の有機的連携の仕組みを構築・運用し、部門相互のシナジー効果を高めていること。

4.「白河直流生産活動」を掲げ、製造職場単位毎にあるべき姿を定めつつスピード感ある改善活動を行っており、これによりメンバーも巻き込みながら活動と育成を進めていること。

5.きめ細かで工夫ある訓練を着実に実施し、社員の技能拡大と向上、そして人財育成に努めていること。

花王
上海花王

ファクトリーマネジメント賞

評価のポイント

(1)ESGを重視し、企業理念を軸にしたマネジメント骨格

花王グループは事業戦略にESGの視点を導入することで、事業の拡大と、消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざしている。そして、従業員それぞれの仕事の意義や課題解決の拠りどころとして、企業理念である「花王ウェイ」を共有し標準化させるという考え方が提示されている。上海花王では、その花王ウェイをもとに「よきモノづくりはよき人づくり」、「高度な技と綺麗な心」というスローガンをもち、どうすればそれが実現できるかと考え、人間の素の要素に着目し行動している。

(2)現地に即したPDCA

生産関連指標の数値を上げるための基本を現地でうまく回すために、事前の準備、事後の有効性評価が特に重要であると考え、現地幹部メンバーを中心に、事前準備をP+PDCA、事後の有効性検証をPDCA+Aと呼んで、仕組みとして動かしている。

(3)生産構造に応じた組織構造改革

改善成果がうまくでない対応策として、弊害になっていると考えられた場合、組織構造そのものまでメスを入れる取り組みを行っている。施策として組織統合が行われる場合、ポストの減少も予想されるが、共通価値観、相互コミュニケーションによる相互認識を強く持っていることで実現され、構造改革を推進している。

(4)安全・環境活動

安全に関しては、生産現場の危険を疑似体感したり、教育を行う道場が設けられている。経験や知見に基づくもの以外に作業リスク評価と対策も進めている。
環境活動としては、隣接する地域住民との意見交換会や住民のほか、政府関係者も招待して「納涼祭(夏祭り)」を開催するなど、多様なコミュニティに対する活動にも積極的に取り組んでいる。

コニカミノルタ
柯尼卡美能达商用科技(东莞)

ファクトリーマネジメント賞

評価のポイント

1.現場力を重視することを経営の根幹におき、活動が推進されており、活動の継承面において経営トップが交代しても、そのコンセプト、中心にある考え方が継承されていること。これにより、現地メンバーの一貫した価値観や方針のもと継続的な活動が実行できている。

2.デジタル・マニュファクチュアリング(オペレーションの自動化、ICTツールによるワークフローの変革、熟練技能の解明と標準化などを含む)による生産革新を推進している。それとともに、TPS活動でのムダ取り活動についても、問題の発見から解決まで、現地従業員を主に行われていること。

3.上記の生産性向上成果を、経営コックピットと呼ばれる工場全体の経営データの見える化システムにより情報共有している。このシステムをさらに機種別原価管理と連結させ、さらなる「見える化」を推進することで儲かる体制に繋げている。

4.きめ細かな意識・行動改革(6Value 、7つの習慣など)の推進をベースに、「家のような風土づくり」を目指し、従業員の相互支援である募金会・文体活動・挨拶活動など、社員を大切にする温かい活動を現地従業員が主体に行っている。

5.品質向上活動では、過去のデータをベースにした組立不具合予測の活動を行っており、源流で早期に品質を作りこむ活動を推進している。また、自工程完結活動や小集団活動により、現場での品質向上にも主体的に取り組んでいる。

6.人財育成においては、スキルマップによる技能の管理、技能資格制度、技能スペシャリスト教育、教材のビジュアル化・ビデオ化、企業大学などを含めた、きめ細かな人材育成システムを構築している。

ダイキン工業
堺・滋賀・淀川・鹿島製作所 ※4製作所共同応募

ものづくり人材育成貢献賞

評価のポイント
  1. 国内4製作所のメンバーが主体となって、技能伝承の仕組みを構築し、運営を実施
  2. 戦略技能を明確に設定し、技能レベルをきちんと定義して人材育成をはかっている
  3. グローバルで活躍できる人材育成と活躍の場作りにより、誇りややりがいを醸成
  4. IOTなど先端技術を活用した、熟練者ノウハウの伝承

デンソー
PT. DENSO INDONESIA

ファクトリーマネジメント賞

評価のポイント
  • 将来の目指す姿を現地メンバーで策定するなど、チャレンジの場を積極的に提示し、現地メンバーによる活力あるマネジメントおよび改善活動を推進
  • 与えられた場で力を発揮するために、専門機関(人材育成センター)における、高度な生産人材の育成
  • 自立化された現地メンバーによるIoT、自動化の推進
  • 複数事業製品を生産する工場としてシナジー効果の発揮

東レ
東麗酒伊織染(南通)

ファクトリーマネジメント賞

評価のポイント

1.ナショナルスタッフの意識改革を目指し、「自分たちの会社」と思わせる企業風土の醸成に取り組み、そこでは管理職層の意識革命を目的としたコミュニケーション良化のために、多岐にわたって工夫ある施策が打たれていること。

2.弛まぬ人材育成やモチベーション向上策を丹念に行っていることである。例えば、毎日の業績に対して点数付けをおこなう評価制度などモチベーションの向上策や、収益面で苦しい時期でも採用と人材育成を続け、労使間の信頼を築きあげてきたところ、結果、工場幹部のほとんどがナショナルスタッフで構成され日々のマネジメントがなされていることは大きな成果と言える。

3.安心して生産できる工場づくりを愚直に取り組んでいることである。具体的には過去の工場で得た災害教訓から、安全対策活動のみならず従業員の家族まで視野に入れた安全意識向上施策を工夫するなど、広範で工夫ある施策を推進しており、成果も出ている。

4.生産におけるデジタル化やIoT化は時流であるが、その運用や活用にあたっては、現業社員も含めて、データ活用・解析を行えるような教育を推進している。その結果、多くの製造職が品質面や生産性面でデータを活用して科学的な改善ができるようになり、一段高い改善を推進していること。

5.工場マネジメントにおいては、ICT活用により各ラインの状況や異常の見える化が進められており、タイムリーにPDCAを回している。また、その業績を向上するためにSCRUM活動が行われており、毎日職場単位で課題や目標、スケジュール、進捗状況、テーマ推進上の課題などを一人ひとりが付箋紙などで見える化・共有化、そして討議に励み、その結果一人ひとりが強くなり職場も改善推進されている。言わば、ICTを活用しつつ人の知恵を活用するマネジメントの高度化が図られている。

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